ランドセル症候群とは?子どもの健康に関わる実態と対策を解説

走る男の子

小学生が毎日背負うランドセル。教科書やノートに加え、タブレットや水筒などを持ち運ぶことで、通学時の荷物が重くなる日もあります。

こうした重い荷物や、身体に合っていない状態で通学かばんを背負うことによる心身の不調を表す言葉として、「ランドセル症候群」が使われるようになりました。

大切なのは、ランドセル本体の重量だけを見るのではなく、中に入れる荷物を含めた総重量、背負い方、身体へのフィット感まで確認することです。

お子さまから「重い」「背中が痛い」といった声が聞かれたときも、すぐにランドセルそのものが原因と決めつける必要はありません。荷物や背負い方を一つずつ見直すことで、負担を軽減できる場合もあります。

この記事では、ランドセル症候群とは何か、どのような不調が考えられるのかを整理したうえで、「ランドセルを背負うと背中が痛い」という場合に確認したいポイントや、ご家庭でできる対策をご紹介します。

この記事でわかること

  • ランドセル症候群とは何か
  • ランドセルによって感じることがある身体の不調
  • ランドセルを背負うと背中が痛いときの確認ポイント
  • ご家庭でできるランドセルの負担チェック
  • 荷物や背負い方を見直して負担を減らす方法

ランドセル症候群とは

「ランドセル症候群」とは、身体に合わない重さや大きさの通学かばんを長時間背負うことで、肩・背中・腰などの身体的な不調や、通学への負担感が生じる状態を表した言葉です。

近年では、ランドセルの重さに関する調査やメディアなどでも取り上げられています。

「ランドセル症候群」という言葉から、ランドセルそのものの重量だけが問題と思われることがあります。しかし、実際にお子さまが背負っているのはランドセルだけではありません。

教科書やノート、副教材、タブレット、水筒などを含めた通学時の荷物全体で考えることが大切です。

小学生はどのくらいの重さを背負っている?

小学校中学年のランドセルの中身

フットマーク株式会社が2025年3月に、ランドセルを使用している小学1~3年生とその保護者1,200組を対象に行った調査では、教科書などを入れた状態のランドセルの平均重量は3.94kgでした。

また、90.4%のお子さまが、程度の差はあるものの「ランドセルが重い」と回答しています。

※出典:フットマーク株式会社「2025年版/小学校の荷物重い問題 最新レポート」

企業による調査のため一つの参考値ではありますが、多くのお子さまが日々の通学で荷物の重さを感じていることがうかがえます。

ランドセル本体が軽くても、その日の教材やタブレット、水筒などを入れれば総重量は増えていきます。そのため、「本体が何gか」だけで判断せず、荷物を入れた状態でお子さまが無理なく背負えているかまで確認するとよいでしょう。

ランドセル症候群で見られる主な不調

重いランドセルを背負ったときの感じ方には個人差があります。

肩や背中など身体に違和感が出るだけでなく、「ランドセルが重くて学校まで歩くのがつらい」と感じるなど、通学への気持ちに影響することもあります。

肩・背中・腰などの痛みや違和感

ランドセルを背負ったときに、肩ベルトが強く当たったり、重い荷物を支えるため身体へ力が入ったりすると、肩や背中、腰などに痛みや違和感を感じる場合があります。

例えば、次のような状態になっていないか確認してみましょう。

  • 肩ベルトが身体に合っていない
  • ランドセルの位置が低すぎる
  • 荷物が重くなっている
  • 左右どちらかに荷物が偏っている
  • 長い距離を歩いている

ただし、肩や背中の痛みにはランドセル以外の原因も考えられます。「痛い=ランドセル症候群」と決めつけず、お子さまの様子を見ながら判断することが大切です。

重いランドセルを支えるため前かがみになる

ランドセルが重かったり、身体から離れた位置にあったりすると、バランスを取るために身体を前へ傾けて歩くことがあります。

ランドセルを背負ったときだけ大きく前かがみになっている場合は、荷物の量や肩ベルトの長さ、ランドセルの位置を一度確認してみましょう。

なお、重い通学かばんによって背中や肩に痛みが生じる場合はありますが、ランドセルが側弯症を引き起こすと断定する根拠は確認されていません。

必要以上に不安になるのではなく、まずはお子さまの背負い方や荷物の状態を見直し、気になる変化があれば早めに対応することが大切です。

通学そのものを負担に感じることも

ランドセルが重いと感じる状態が続くと、「学校まで歩くのが大変」「ランドセルを背負いたくない」と感じるお子さまもいます。

フットマーク株式会社が行った過去の調査でも、ランドセルの重さを理由に通学を嫌がった経験や、肩・腰・背中などの痛みを訴えた経験があるという回答が報告されています。

もちろん、学校へ行きたくない理由は一つではありません。お子さまが「重い」「痛い」と話したときは、その言葉をきっかけに、荷物や背負い方を確認してみるとよいでしょう。

ランドセルで背中が痛いときに確認したいこと

ランドセルを背負ったときに背中が痛い場合は、ランドセル本体だけを原因と考えず、荷物の重さ・肩ベルトの長さ・ランドセルの位置・荷物の入れ方を順番に確認しましょう。

少し調整することで、背負ったときの感覚が変わる場合もあります。

ランドセルと荷物が重くなりすぎていないか

まず確認したいのが、その日に背負っている荷物の総重量です。

教科書やノートだけでなく、タブレット、水筒、副教材、体操服などが重なる日は、普段より荷物が増えていることがあります。

ご家庭の体重計などで「ランドセル+中身」の重量を一度測ってみると、実際にどのくらいの荷物を背負っているのか把握しやすくなります。

数字だけを見るのではなく、「今日は重くない?」「背負って歩いてみてどう?」と、お子さま自身の感じ方もあわせて確認してみてください。

肩ベルトが長すぎたり短すぎたりしていないか

フィッティングのポイント

肩ベルトが長すぎると、ランドセルの位置が下がり、背中から離れやすくなることがあります。

反対に短すぎると、肩や脇まわりに窮屈さを感じる場合もあるため、身体に合わせた調整が必要です。

肩ベルトを調整したうえで、お子さまの肩とランドセル上部がおおよそ同じ高さになっているか、ランドセルが背中から大きく離れていないかを確認しましょう。

入学時にちょうどよかった位置でも、お子さまの成長や季節の服装によってフィット感は変化します。

肩ベルトの詳しい調整方法については、「ランドセルの肩ベルト完全ガイド!目的や調整方法をわかりやすく解説」で詳しくご紹介しています。

荷物が左右どちらかに偏っていないか

ランドセルの中身が左右どちらか一方に偏っていると、背負ったときにランドセルが傾きやすくなります。

教科書や学用品が片側だけに集まっていないか、ランドセルを開いて確認してみましょう。左右のバランスを見ながら収納することがポイントです。

重いものが背中から離れた位置に入っていないか

ランドセルの収納量イメージ

教科書やタブレットなど重いものは、できるだけ背中に近い位置へ収納するのがおすすめです。

重い荷物が身体から離れるほど、ランドセルが後ろへ引っ張られやすくなります。

特にタブレットは精密機器でもあるため、背中側の安定した位置へ入れておくと安心です。軽いものはその外側に入れるなど、荷物の重さに合わせて収納場所を決めておくのもよいでしょう。

背中の痛みが続く場合は専門家へ相談する

肩ベルトや荷物の入れ方を見直しても痛みが続く場合は、ランドセル以外の原因も考えられます。

ランドセルを背負っていないときにも痛む、痛みが強くなっている、歩き方に変化があるなど気になる様子が見られる場合は、ランドセルだけの問題と判断せず、小児科や整形外科などの医療機関へ相談してください。

ご家庭でできる工夫を試しながらも、お子さまに無理をさせないことが何より大切です。

ご家庭でできるランドセルの負担チェック

ランドセルによる負担が気になるときは、重量だけでなく、実際に背負った姿まで確認してみましょう。

確認することチェックしたいポイント
荷物の重さ不要な教材などが入ったままになっていないか
肩ベルト左右が同じ長さになっているか
ランドセルの高さ上部とお子さまの肩がおおよそ同じ高さか
背中との距離ランドセルが背中から大きく離れていないか
左右の傾きどちらか一方へ傾いていないか
歩き方大きく前かがみになっていないか
お子さまの様子肩・背中・腰などに痛みや違和感がないか

ランドセルは、お子さまの成長や服装によってもフィット感が変わります。

長期休暇のあとや衣替えの時期などに、あらためて背負った姿を確認してみるとよいでしょう。「少し位置が低くなったかな」「肩ベルトが窮屈そうかな」と感じたときも、見直すタイミングです。

ランドセルによる負担を減らすためにできること

ランドセル覗くこども

ランドセルの負担が気になるときは、ランドセルそのものを買い替える前にできることもあります。

まずは、毎日の荷物や背負い方など、すぐに見直しやすいところから始めましょう。

持ち歩く荷物を減らす

ランドセルの中に、使わない教科書やプリント、文房具などが入りっぱなしになっていないか確認します。

毎日必要なものだけを持ち運ぶ習慣をつけることで、荷物を減らせる場合があります。週末などに中身を整理する時間をつくっておくと、翌週の準備もしやすくなるでしょう。

学校に置いてよい教材を確認する

学校によっては、毎日使わない教科書や教材を学校へ置いて帰ることが認められている場合があります。

文部科学省も2018年、児童生徒の携行品が過重になることへの懸念を踏まえ、学校に対して持ち帰る教材などの重さや量へ配慮するよう案内しています。

いわゆる「置き勉」がどこまで認められているかは学校によって異なるため、担任の先生や学校からのお知らせを確認しましょう。

肩ベルトを身体に合わせて調整する

ランドセル本体や中身が同じ重量でも、ランドセルの位置によって背負ったときの感じ方は変わります。

肩ベルトを長くしすぎず、ランドセルが背中に沿いやすい位置へ整えましょう。

入学時から身体が大きくなっている場合もあります。定期的に背負った状態を確認し、その時々のお子さまに合う長さへ調整することが大切です。

詳しい調整方法については、「ランドセルの肩ベルト完全ガイド!目的や調整方法をわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。

重いものを背中側へ入れる

ランドセルの収納量イメージ

ランドセルの荷物は、重いものほど背中に近い場所へ収納します。

教科書やタブレットを背中側に、そのほかの軽いものを外側へ配置することで、重い荷物が身体から離れにくくなります。

荷物が中で大きく動かないよう、入れる場所をある程度決めておくのもひとつの方法です。

背中パッドなどの補助グッズを試してみる

ランドセル背中パッド(暑さ対策メッシュ仕様)

肩ベルトや荷物の入れ方を見直しても、背中まわりの当たりや夏場の蒸れが気になる場合は、背中パッドなどの補助グッズを試してみる方法もあります。

鞄工房山本では、ランドセルと背中の間に取り付ける**「ランドセル背中パッド(暑さ対策メッシュ仕様)」**をご用意しています。

立体メッシュ構造で背中にこもりやすい熱や湿気を逃がしながら、背中全体をふんわりと支えるつくりです。

ただし、背中パッドは背中の痛みそのものを治療するためのものではありません。

荷物の重さやランドセルの位置、肩ベルトの長さを確認したうえで、毎日の背負い心地を整える選択肢のひとつとして取り入れていただくとよいでしょう。

» 鞄工房山本の背中パッド

購入前なら実際に背負って確認する

奈良本店のランドセル選び

これからランドセルを購入する場合は、本体重量の数字だけでなく、お子さまが実際に背負った状態も確認しましょう。

肩ベルトの形や背カンの構造、背中へのフィット感によっても、背負ったときの感じ方は異なります。

店頭や展示会では、肩ベルトをお子さまの身体に合わせたうえで、少し歩いたり腕を動かしたりしてみるのがおすすめです。

「何gか」に加えて、お子さまが自然に背負えているか、どこか気になるところはないかまで確かめておくと、より納得して選びやすくなります。

鞄工房山本が考える「軽く感じる」ための工夫

ランドセル 背負いやすさ 機能

鞄工房山本では、ランドセルそのものの軽量化だけでなく、ランドセルを身体に近い位置で安定して背負いやすくすることも大切にしています。

現在のランドセルには、肩ベルトが自然に立ち上がる「立ち上がり背カン」を採用。身体のラインに沿う肩ベルトなど、複数の構造を組み合わせながら、背負ったときのフィット感を考えています。

肩ベルト内部には2層のクッション材を使用し、背中部分にもクッション性を持たせています。また、肩ベルトの取り付け金具は左右それぞれが動く構造で、お子さまの体格や動きに合わせやすい設計です。

ランドセルの重量だけを比べれば、より軽いモデルを選ぶことはできます。

一方で、同じ重量でも身体へのフィット感や重心の位置によって、背負ったときの感じ方には違いがあります。

毎日背負うものだからこそ、鞄工房山本では、本体重量だけではなく、実際に背負ったときの心地よさまで含めて6年間の使いやすさを考えています。

» 鞄工房山本のランドセル「背負いやすさ」について

ランドセル症候群が気になるときは「重さ」だけで判断しないことが大切

集まる子ども

ランドセル症候群への対策では、「とにかく軽いランドセルを選べばよい」と考えるのではなく、ランドセル本体と荷物を合わせた総重量、背負い方、身体へのフィット感を一緒に確認することが大切です。

すでにランドセルをお使いの場合も、不要な荷物を減らす、重いものを背中側へ入れる、肩ベルトの長さを調整するといった方法から始められます。

お子さまが「重い」「背中が痛い」と話したときは、その日の荷物や背負った姿を確認するきっかけにしてみてください。

1年生の春には大きく見えたランドセルも、お子さまの成長とともに少しずつ馴染んでいきます。身体も、毎日の荷物も、6年間ずっと同じではありません。

その時々のお子さまに合わせて状態を整えながら、毎日の通学を心地よく支えていくこと。それも、6年間ランドセルを見守るご家族にできる大切なサポートのひとつです。

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監修者情報

鞄工房山本 編集部
鞄工房山本 編集部

購入前に役立つ情報から、ご購入後にもきっと役立つような話題まで。ランドセルにまつわるあれこれを、心を込めてていねいにお届けしています。小さな情報の一つひとつが、ご家族の安心と笑顔につながりますように。

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