一貫製造体制の確かな“ものづくり”

確かな“ものづくり”のために すべての工程を、一つひとつ、手仕事で。

鞄業界では作業の委託・分業が多いなか、鞄工房山本では一貫製造体制を守りつづけてきました。
先代からずっと、革の型入れ・裁断から仕上げまですべての工程を、奈良の工房でおこなっています。

型入れ

型入れ

本革のランドセルづくりは、革の繊維を見極めて型をとることからはじまります。

  • 本革のランドセルづくりは、革の繊維を見極めて型をとることからはじまります。
  • 天然素材の革には、人工皮革にはない繊維の絡みと流れがあります。また、牛の革の特長として、背中側の繊維は緻密で強く、お腹側は粗く柔らかくなっています。“型入れ”では、そういった革の特性を見極め、最適な部位と角度でランドセルのパーツとなる型をとります。
    鞄業界では、「型入れができれば一人前」と言われます。そのため、鞄工房山本ではこの工程を、革の性質とランドセルの作りを熟知する工房主 山本がおこなっています。

    工房主 山本 一彦

    「モノを大事にする気持ち」を育んでほしいから、本革にこだわっています。ランドセルは、お子様の6年間を見守るパートナー。だからこそ、大量生産ではなく、最初から最後まで一つひとつ手作りするのが鞄工房山本の信念です。

    工房主 山本 一彦

裁断

裁断

一つひとつが形となってお客様の手に渡ることを意識しながら、丁寧に裁断します。

型入れどおりに、油圧式裁断機や自動裁断機(CAD-CAM)を使って革を裁断します。工房主が型入れをしたパーツ以外の付属部位についても、革のごくわずかな傷やムラ、繊維の流れを見極めて裁断しています。

  • 油圧式裁断機

    油圧式裁断機

    一つひとつ手作業で金型を配置し、油圧式裁断機で切り抜きます。

  • 自動裁断機(CAD-CAM)

    自動裁断機(CAD-CAM)

    パソコンから型データをインプットし、空気圧式のカッターで高速かつ高精度な裁断をおこないます。

  • 藤田 一夫

    裁断はランドセルづくりの序盤工程。自分が裁断した革で最終的にいいものが出来上がって、お子さんに喜んでもらえたら嬉しいですね。

    藤田 一夫

  • 西 由香里

    一日にたくさんのパーツを裁断しますが、お客様に届くのはたった一つのランドセル。パーツごとにわずかでも色の違いが出ないよう気を配っています。

    西 由香里

割り

割り

裁断された革を、適切で均一な厚さに調整します。

  • 裁断された革を、適切で均一な厚さに調整します。
  • 裁断された革は、パーツごとに同じ厚みになるよう割り加工を施します。およそ2ミリある革を、使用部分にあわせて1.0〜1.8ミリと適切な厚みに仕上げます。

    栢木 浩正

    厚みを計りで確認しながら、きれいに加工できているか、目と指先の感覚でチェックしています。ものすごく神経を使いますが、慎重に作業することを心掛けています。

    佐藤 有亮

漉き

漉き

革が重なりあう部分はさらに薄く、0.05ミリ単位まで調整していきます。

  • 革が重なりあう部分はさらに薄く、0.05ミリ単位まで調整していきます。
  • パーツ製作の前準備として、革が重なり合う部分などを薄く加工することを「漉き」といいます。漉き具合はランドセルの仕上がりに大きく影響するため、漉き幅、漉き厚、漉き角度を部位ごとに細かく設定。0.05ミリ単位で調整をおこないます。

    廣田 浩

    0.01ミリ単位まで測定できるゲージで測りながら厚みの誤差を微調整しています。緻密に計算された作りのいい品です。大事に使ってください。

    廣田 浩

肩ベルト

肩ベルト

肩ベルト・小紐

いちばん負荷のかかる部分だから、つなぎ目のない一枚革で作ります。

  • 肩ベルト・小紐
  • 肩ベルト・小紐

    一枚の長い革で作る肩ベルトは、素材をつなぎ合わせて作られたものと比べて格段に丈夫。さらに肩からずり落ちにくい立体的な構造をしています。また、小紐も肩ベルトと同じように「ヘリ返し」仕立てを施しているので、身体とこすれても刺激が少なく、小さな体にも負担を掛けない設計です。

    吉村 玲子

    丈夫さは勿論、お子様の背負いやすさにもこだわった肩ベルトです。毎日使うランドセルの中でも特に重要な部分だから、心を込めて縫っています。

    瀧 有希

  • 金具の取り付け

    お子様の肩への負担が軽くなるよう、肩ベルトには二重にクッションが入っていて分厚い作りとなっています。金具の取り付けには大きめのカシメを使い、しっかりと打ちつけます。

    中井 正剛

    飛び回って使い古すことと、ものを大切に使う心は別。元気に使って、大事にボロボロにしてほしいです。

    中井 正剛

  • 金具の取り付け
  • 手縫いの場所
  • 要所部分の手縫い

    肩ベルトや小紐の付け根など特に負荷のかかる部分は、鋲で留めるだけでなく手で縫い上げて補強します。

    青木 末子

    手縫いは糸の締めが肝心。指に絡めてキュッと引っぱる瞬間は、気も引き締まります。これを背負ってしっかり勉強してくださいね。

    青木 末子

背中

背中

背中

お子様の背中に優しい、二層構造設計です。

  • お子様の背中に優しい、二層構造設計です。
  • 背中のクッションには、固さの異なる二種類のウレタンを採用しています。腰に接する部分には、高密度で弾力のある素材を使用。衝撃を吸収し、重みをしっかりと支えます。そして、背中の中心部分に使用している柔らかい素材が背中に優しくフィット。背中への負担を軽くします。

    伴田 さつき

    ものづくりが好きで子どもも好きだったので、ランドセルづくりをはじめました。手作りのランドセルを背負って、お子さんが笑顔になってくれたら嬉しいです。

    伴田 さつき

コバ塗り

コバ塗り

タレ・ベロ

鞄工房山本の顔ともいえる「コバ塗り」。高級紳士鞄の仕上げに用いられるこの伝統技法で仕上げます。

  • コバ塗り(磨き)
  • コバ塗り(磨き)

    「コバ」とは革の裁断面のこと。この革の切り口の毛羽立っている部分を丁寧に磨いて繊維を締め、強度を高めるとともにコバの表面を美しく整えます。

    森岡 ??人

    裁断面が美しく滑らかになるよう、力加減に気を付けて丁寧に磨いています。

    森岡 祥人

  • コバ塗り(ニス塗り)

    磨いたコバ面にニスを塗ります。コバ磨きと合わせて作業をおこない、下塗り、本塗り、仕上げ塗りと三回丁寧に塗り重ねることで美しいコバ面に仕上げます。

    山田 直樹

    コバ塗りは鞄工房山本のランドセルの信念のひとつ。手間暇かけて仕上げています。

    山田 直樹

  • コバ塗り(ニス塗り)

かぶせの縫製

かぶせの縫製

正確なピッチで、美しく縫い上げていきます。

  • 正確なピッチで、美しく縫い上げていきます。
  • ステッチワークはランドセルの見た目の印象を左右する大切なポイント。ドイツ製の厚物専用ミシンを使い、 “0番”の極太糸で丁寧に縫い上げます。太い縫い糸を使って直線や曲線をきれいに縫うのは難しい仕事。経験と技術を要します。

    増田 沙弥香

    糸は色によって微妙に撚り具合が違います。それを見極め、ピッチをそろえて慎重に慎重に縫っています。

    増田 沙弥香

大マチ

大マチ

大マチ

強靭な芯材と丁寧なヘリ返しで、型崩れしないランドセルに仕立てます。

  • 強靭な芯材と丁寧なヘリ返しで、型崩れしないランドセルに仕立てます。
  • ランドセルの型崩れに対する耐久性は、大マチの強さで決まります。鞄工房山本では、大マチの上部に強靭な樹脂製の芯材を仕込み、反りや潰れを防止。一般的なランドセルよりマチ幅が広く収納力が高い分、頑丈さをとことん追求して設計しました。また、革の端に「ヘリ返し」仕立てをおこない、さらに芯材に沿って縫い上げ美しく堅牢に仕上げます。

前ポケット

前ポケット

前ポケット

ポケットに、「機能性」をつめ込みました。

  • ポケットに、「機能性」をつめ込みました。
  • 一般的なランドセルの前ポケットは上部しか開かないため開口部が狭く、使い勝手の良くないものが多いです。鞄工房山本では、ファスナーが90度に開く片開きと、左右両サイドに開く両開きポケットを採用。ポケットが手前に8cmも開き、とても出し入れしやすいです。

    西村 崇則

    ファスナーの持ち手がハートやクローバー、コンパス型などとても可愛らしく、しかも開閉がとてもスムーズで、びっくりするくらい大きく口を開けてくれます。思わずいっぱい入れたくなってしまうデザインです。

    冨士本 大樹

  • 小マチの縫製

    前段・中仕切を縫い合わせ、小マチを縫いつけます。立体的に縫製する繊細な作業です。

    山口 小百合

    下糸が出ないように気を配りながら、糸の調子をあわせ、きれいな仕上がりになるよう縫っています。

    山口 小百合

  • 小マチの縫製

大マチまとめ・つなぎ縫製

大マチまとめ・つなぎ縫製

下準備からいくつもの工程を経て作ってきたパーツ。慎重にまとめ上げていきます。

  • 大仕切と前段を貼り合わせます。

    大仕切と前段を貼り合わせます。

  • 続いて大マチと合わせ、収納部分を形作ります。

    続いて大マチと合わせ、収納部分を形作ります。

  • 背中とかぶせを縫い合わせます。正確に、真っすぐに。

    背中とかぶせを縫い合わせます。正確に、真っすぐに。

  • まとめたパーツ同士をしっかりと縫い合わせていきます。

    まとめたパーツ同士をしっかりと縫い合わせていきます。

  • 西岡 孝太朗

    歪みが出ないように注意してまとめています。子どもたちが大切に使ってくれたら、心をこめて作った甲斐があります。

    西岡 孝太朗

  • 佐伯 正明

    工房みんなの思いがひとつに合わさって、鞄工房山本のランドセルは作り上げられています。

    佐伯 正明

  • 阪口 茉奈美

    ランドセルは、きっと初めての自分だけのかばん。6年間の思い出を、いっぱいつめこんでほしいです。

    阪口 茉奈美

前締めベルト

前締めベルト

前締め

前締めベルトを締めると、見た目も上品に引き締まります。

  • 前締めベルトを締めると、見た目も上品に引き締まります。
  • ランドセル本体をぐるっと囲む前締めベルト。デザインにアクセントを与えるだけでなく、暗がりで光を反射する白い反射材により、お子様の安全を守る役割も果たします。上品な細いベルトですが、革の端をきちんとヘリ返して丈夫に仕立てています。

    佐藤 有亮

    かぶせを開けるといちばん最初に目に入る前締めベルト。柔道の黒帯の選手が帯を締めるように、一本いっぽんビシッと取り付けています。

    上谷 大介

内装貼り

内装貼り

外からは目に触れない部分も、一つひとつ丁寧に。

  • 外からは目に触れない部分も、一つひとつ丁寧に。
  • 内装の貼り付けは、やり直しのきかない繊細な仕事。しわにならないよう、慎重におこないます。外からは目に触れませんが、お子様にとっては教科書やノートの出し入れで毎日触れる部分。一つひとつきれいに仕上げています。

    金子 悦子

    細部まで手を抜かず、一生懸命作っています。大量生産ではなく、工房で作られるランドセルに関心をもってもらえたら嬉しいです。

    金子 悦子

  • 専用の機械やハケを使い、のり付けします。

    林 紀美子

    革のヘリ返しやパーツのまとめなど、次の工程に影響する大事な仕事。塗り損じやはみ出しが無いよう気をつけています。

    林 紀美子

  • 専用の機械やハケを使い、のり付け

キザミ

キザミ

キザミ

鞄の品質は、角の仕上がりの美しさでわかります。

鞄の角の革を細かく均一に寄せてひだを作り、美しい扇形に整えることを「キザミ」あるいは「菊寄せ」と呼び、鞄工房山本では創業当初からこの仕立てをおこなっています。これは日本の鞄職人が誇る伝統の熟練技で、機械には難しい仕事。つまりキザミは、細部まで作り込まれたハンドメイドの証しだと言えます。

  • 背中と前段をまとめます。

    背中と前段をまとめます。

  • キザミ処理で、角を美しく丈夫に仕立てます。

    キザミ処理で、角を美しく丈夫に仕立てます。

  • 前川 恭慶

    ものづくりに携わりたくてこの工房に入りました。隙間なく均等にきざめるようになるまでには時間がかかりましたが、今では仕上がりに自信をもっています。

    前川 恭慶

まとめ縫製

まとめ縫製

何百もの工程を経てやっと完成する手作りのランドセル。

  • 何百もの工程を経てやっと完成する手作りのランドセル。
  • 硬い革を重ね合わせ、ボールペンの芯ほどもある太い針で縫い上げます。硬さで針が曲がることもありますが、上糸と下糸を強く締めピッチを揃えて縫い上げることで、美しい仕上がりになります。

    森下 百合恵

    かつては工房主しかできなかったまとめ縫製を修得しました。とても高度な技術が必要な仕事です。

    森下 百合恵

仕上げ拭き・検品

仕上げ拭き・検品

時間をかけて隅々までチェックし、“確かなもの”だけをお届けしています。

  • 時間をかけて隅々までチェックし、“確かなもの”だけをお届けしています。
  • いよいよ最終仕上げです。前日の夕方「まとめ縫製」を終えたランドセルを、全員できれいに拭き上げることから工房の朝ははじまります。そのあと、専任のスタッフが2人がかりで検品します。汚れがないか、のりがキワに残っていないか、糸が毛羽立っていないか、角のラウンドが整っているかなど、いくつもの項目をチェックし、最終仕上げをおこないます。最後に、肩ベルトを一つひとつ取りつけたら完成です。

    長崎 睦美

    確かな品だという期待に応えたい一心で、厳しい目でチェックしています。お手元に届いたときのお子様の笑顔を思い浮かべながらの最終仕上げです。

    長崎 睦美

何百もの工程を経てやっと完成する手作りのランドセル

何百もの工程を経てやっと完成する手作りのランドセル。 6年間安心してご使用いただけることが、工房一同の願いです。

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