ヌメ革のランドセルってどう?特徴とお手入れのポイントを解説

リベルタ

ランドセルの素材のなかでも、ひときわ自然な風合いと美しい経年変化を楽しめるのが「ヌメ革」。

鞄工房山本のモデル「リベルタ」では、このヌメ革をランドセルの一部に使用しています。この記事では、ヌメ革の魅力や扱い方、そして具体的なお手入れ方法まで、ランドセルを長く大切に使っていただくための情報をお届けします。

ランドセルのヌメ革ってどんな素材?

 ヌメ革は、植物の渋(タンニン)でなめした天然の牛革です。表面に加工を施さず、革本来の風合いや香りを感じられるのが最大の特徴です。

  • 時間とともに深みのある色に変化(エイジング)
  • 表面に自然なシワやシボが見られる一点物の風合い
  • 手にしっとりと馴染む優しい触感

素材そのものの美しさを活かしたヌメ革は、お子さまの成長とともに味わいが増す“育てる革”とも言えます。

ヌメ革

ヌメ革ランドセルのメリットと注意点

メリット

  • 経年変化で色艶が増し、風合いが豊かに
  • ナチュラルな見た目で上質感がある
  • 子どもと一緒に思い出を重ねられる

注意点

  • 水や汚れに弱く、染みやすい
  • 傷がつきやすいが、それも個性として楽しめる
  • お手入れの頻度を守ることで、より長持ち

ランドセルにヌメ革を選ぶことは、単なる素材選びではなく、お子さまと過ごす6年間の時間を大切に育てる選択でもあります。

リベルタ

ヌメ革ランドセルはどんなご家庭におすすめ?

  • 革製品に親しみがあり、変化を楽しみたい方
  • お子さまと一緒にものを大切にしたい方
  • 唯一無二のランドセルを求める方

ヌメ革は、ややデリケートな素材ですが、日々のお手入れや少しの気遣いによって、お子さまの成長とともに深みを増していきます。味わいのあるランドセルを楽しみたい方にぴったりの素材です。

おすすめモデル「リベルタ」のご紹介

リベルタ

ナチュラルなヌメ革とデニム調レザーの組み合わせが特徴の「リベルタ」は、男女問わず人気の高いモデルです。革の質感や色の変化を楽しみたいご家庭にぴったりの一品です。

リベルタを見る

ヌメ革のお手入れ方法

「リベルタ」に使用している「ヌメ革」には、革用のクリームや防水スプレーを使った定期的なお手入れも有効です。
しかし、「ヌメ革のお手入れって具体的に何をしたらいいの?」、「どのくらいの頻度でお手入れを行うといいのかな?」など、普段革製品のお手入れをする機会がない方にとっては、何をどうすればよいのかわからず困ってしまうこともあるかもしれませんので、そんな方のために、わかりやすく解説していきます。


※「リベルタ」のヌメ革を除き、当社のランドセルに使用している革はランドセル用に加工を施しているため、特別なお手入れは必要ありません。クリームやスプレーをご使用になると、かえってその部分がシミになる可能性もありますので、お気をつけくださいませ。

お手入れグッズについて

ランドセルの鞄工房山本


◯汚れとり用ブラシ
大きさは問わず、革の表面についたホコリや汚れなどを払えるもので、馬毛がおすすめです。豚毛はかたくてヌメ革を傷つけてしまう可能性があります。
◯柔らかい布
専用の布でなくても、着なくなったTシャツの端切れなど、指先に巻きつけられるくらい(爪で革に傷がつくのを防ぐため)の柔らかさがある布であれば問題はありません。
◯クリーム
革用またはヌメ革用と記載のあるクリームをご用意ください。靴用クリームは成分によって革を傷めたりシミになったりする可能性があるため、おすすめしません。
◯防水スプレー
革用もしくは、革の鞄にも使えると記載のあるスプレーであればお使いいただけます。スプレーの成分によっては革を傷めたり白っぽくなったりすることがあるため、ご購入・ご使用の際にご確認ください。

お手入れ方法について

お手入れ方法は簡単に分けて3つ。防水スプレーとクリームのどちらかだけを使う方法と、どちらも使う方法です。

(1)汚れとり→防水スプレーのみ

ランドセルの鞄工房山本
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まずは、汚れとりのためにブラッシングを行います。強すぎず、でもしっかりと丁寧に革の表面についたホコリを払っていきます。(ヌメ革部分はもちろん、デニム調部分についたホコリや軽い汚れもブラッシングで取り除くことができます。)

続いて、防水スプレーを吹きかけます。十分に換気されている場所で行うのがおすすめです。
吹きかける前に、ヌメ革部分が乾いていることを確認して、ヌメ革以外の箇所にスプレーがかからないようにマスキングしてください。(もし他の部分にかかってしまっても、すぐにブラシで払ったり布で拭いたりしていただくと落とせます。)
スプレー缶をよく振り、20cmほど離れたところから、手を動かしながら全体的にムラなく吹きかけます。(※はじめに一度目立たないところで試し、乾いたときにシミにならないか確認していただくと安心です。)

革の表面がしっとりと濡れる程度が目安です。「革をこんなに濡らして大丈夫?」と心配される方もいらっしゃるかと思いますが、乾けばもとの色に戻りますのでご安心ください。
吹きかけた部分が乾いた後に、もう一度吹きかけて、終了です!

スプレーをした部分は、乾くと撥水効果を発揮します。こちらの写真のように、革の上に水がかかっても、水滴が玉のようになって滑ります。スプレーをしてから30分もあれば十分に乾いた状態となり、ご安心かと思います。
防水スプレーのなかには、革の保護や栄養補給を同時にできるものもあるため、商品をお探しの際にはご参考にしていただければと思います。

(2)汚れとり→クリーム(保湿)→防水スプレー

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ブラッシングをした後に、クリームを塗っていきます。(※はじめに一度目立たないところで試し、乾いたときにシミにならないか確認していただくと安心です。)

柔らかい布を指に巻きつけて、クリームを少しすくい、小さな円から徐々に大きな円を描くようにクリームを広げながら、塗り込んでいきます。傷がない部分はなでるくらいに、目立つ傷には少しだけ強めに塗り込みましょう。塗りすぎた場合は、すぐに布やブラシで拭きとれば問題ありません。
クリームを塗った後に、防水スプレーを吹きかけて、終了です!

(3)汚れとり→クリームのみ(保湿/保湿+撥水)

ランドセルの鞄工房山本
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革用のクリームには大きく分けて2種類あります。潤いと柔らかさを与える保湿のためのクリームと、保湿や栄養補給に加えて撥水効果が得られるクリームです。
撥水効果のない保湿クリームをお使いになる場合は、(2)でご紹介した方法で、定期的に防水スプレーと併用していただくとより効果的かと思います。
ここでは、栄養補給とともに撥水・防汚効果があるクリームを使ってみました。

まずは、クリームを出す前によく振ります。布にクリームをのせて少しなじませ、指先に巻きつけて、革に塗り込んでいきます。こちらのクリームは水溶性のため、塗り込むと一瞬水に濡れたようになりますが、乾くと色が戻るのでご安心ください。なお、クリームによっては、お手入れ後にヌメ革の色が少しだけ濃くなる場合があります。

こちらのクリームも防水スプレーと同様に、乾くと撥水効果を発揮します。一雨に一回が目安の防水スプレーよりも効果が長持ちするのが特長です。実際には塗ってから数分経つと乾いて撥水しますが、十分な乾燥時間としての目安は48時間ともいわれているため、余裕を持って、小学校がお休みの日に塗るようにすると良いかもしれません。
それでは、お手入れ前とお手入れ後の写真を比べてみます!
こちらがお手入れ前です。こすり傷がいくつか見える状態です。
こちらがお手入れ後です。右半分にはクリームと防水スプレー、左半分にはプロテクションクリームを使用しました。どちら側でも、時間が経つとはじめの傷が浮かび上がってくる可能性がありますが、お手入れ前と比べて革が潤い、なめらかな表面になりました。(撮影時の光の加減でヌメ革部分の色の濃さが異なっているように見えますが、実際は色の濃さはほとんど変わっていません。)
お手入れのポイントは、「量より回数」。一度にしっかり行うというよりは、こまめに少しずつ行うのがおすすめです。例えば、「2ヶ月に1回よりは1ヶ月に1回、1ヶ月に1回よりは2週間に1回お手入れできると良いかな」という感覚です。
意気込みすぎず、お時間のあるときに気軽に革の表情を楽しみながら行っていただければ幸いです。

おすすめのケア商品

リベルタにおすすめのケアアイテムは、鞄工房山本の直営店や、大人向け鞄ブランド「香久山鞄」のWebサイトにて販売しています。
革のメンテナンスセット

よくある質問(Q&A)

Q1. 雨の日に使っても大丈夫ですか?

A. 基本的には問題ありません。防水スプレーなどで撥水対策をしておくとより安心です。濡れてしまった場合は、柔らかい布で拭き取り、陰干ししていただくとよりきれいに保つことができます。

Q2. お手入れはどれくらいの頻度で必要ですか?

A. 使用頻度や季節にもよりますが、1〜2か月に一度を目安に、ブラッシングと乾拭きだけでも行っていただくと革のコンディションを保てます。

Q3. 傷がついてしまったら?

A. ヌメ革は使うほどに馴染み、多少の傷も風合いになります。目立つ傷が気になる場合は、専用のクリームでケアしていただくと軽減できます。傷が付きやすいデリケートな素材ではありますが、傷もお子様の成長の思い出として、お考えいただけると幸いです。

特別なお手入れをしなくても……

ランドセルの鞄工房山本


ちなみに、こちらはお手入れすることなくご愛用いただいた6年生のお子さまのリベルタです。特別なお手入れをしなくてもご使用上問題はなく、ヌメ革の味わい深い経年変化を楽しんでいただけます。
どこかでこすれてついた傷や雨の日にできたシミも、お子さまが日々を重ねた証として、時間が経つほどに革の味となり、ヌメ革ならではの風合いが出てまいります。
このように、お手入れは必須ではありませんが、「いつもおつかれさま、ありがとう」の気持ちを込めて、たまにお手入れをするのも良いかもしれません。
実は、ヌメ革部分を乾拭きするだけでも十分なお手入れになるんです!乾拭きは、ブラッシングなどでホコリを払ってから、きれいな布で、強くこすらず優しくなでるようにしていただくと効果的です。乾拭きを繰り返すと、革の中の油分が染み出すことで、光沢が増し、表面の保護や防水効果も期待できるため、お忙しい方にも簡単に試していただきやすい方法かと思います。
日々深みを増していくヌメ革の味わいの変化を感じることで、「世界に一つだけのランドセル」としてさらに愛着を持ってお使いいただき、かけがえのない毎日を元気に過ごしていただければうれしいです。

まとめ

ヌメ革のランドセルは、革そのものの個性と変化を楽しめる特別な存在です。
鞄工房山本の「リベルタ」にも使用されているヌメ革は、お子さまとご家族の時間の積み重ねによって、美しく育っていきます。

丁寧なお手入れで、大切な思い出とともに、世界にひとつだけのランドセルを育てていきましょう。

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