
小学校生活の6年間、毎日をともに過ごすランドセル。教科書やノートはもちろん、水筒や体操服に加え、タブレット端末まで…。持ち物がどんどん増える今、収納力のある「大容量ランドセル」が注目されています。見た目のサイズだけではわからない、使いやすさや背負いやすさも大切なポイントです。こちらの記事では、ランドセル選びにお悩みの保護者さまに向けて、大容量モデルの魅力や選び方のコツをご紹介します。
大容量ランドセルとは?
大容量ランドセルとは、一般的にA4フラットファイル(横幅約23.3cm)に対応し、さらにマチ幅が12cm以上と広く設計されたランドセルを指します。教科書やノートに加え、水筒やタブレット、給食袋など厚みのある荷物もまとめて収納できるため、荷物の多い日でもすっきり持ち運べるのが特長です。
高さ(cm) | 横幅(cm) | マチ幅/奥行き (cm) | メモ | |
---|---|---|---|---|
一般的なランドセル | 30 | 22.5 | 10〜11.5 | A4クリアファイル対応◎ |
大容量ランドセル | 31〜32 | 23.5 | 12〜13 | A4フラットファイル対応◎ |
数年前までは「A4クリアファイル対応(約22cm)」サイズが主流でしたが、学習教材の増加により、より収納力の高いランドセルが求められるようになりました。現代の小学生にとって、奥行き(マチ幅)にもゆとりのあるランドセルは、使いやすさと管理のしやすさの面で注目を集めています。
A4フラットファイルが余裕で入る収納力
大容量ランドセルの目安となるのが、「A4フラットファイル(約31cm × 23.3cm)」がストレスなく出し入れできる構造です。

イラストのとおり、高さ31cm、横幅23.5cm以上で設計されているかを欠かさずにチェックしましょう。加えて、マチ幅は12cm以上あると安心です。実際にこのサイズ感では、以下のような学用品をまとめて収納できます。
- 教科書・ノート5冊ずつ
- A4サイズの連絡ファイル
- 筆箱、水筒、給食袋
- 体操服
- 折りたたみ傘
- 習字セットや絵の具セット
これらをすっきりと整理して入れられるため、荷物も取り出しやすく、より安全に通学することができます。特に1年生など小さな子どもにとっては、「きれいに整頓する」という習慣がつきやすいといえるでしょう。
一般的なランドセルとの容量差を解説
ランドセル選びでは、大マチの幅(奥行き)の差が収納力に大きく影響します。
高さ(cm) | 横幅(cm) | マチ幅(cm) | 容量 | |
---|---|---|---|---|
一般的なモデル | 31 | 23.5 | 10 | 約7.3リットル |
大容量モデル | 31 | 23.5 | 12 | 約8.7リットル |
同じ高さ31cm・横幅23.5cmでも、マチ幅が10cmのモデルと12cmの大容量モデルとでは、容量に約1.4リットルもの差があることがわかります。例えばお弁当箱や水筒、タブレット端末が追加で入るほどの違いです。さらに、最近ではマチ幅13.5cmの超大容量タイプも登場しました。収納力はよりアップし、かさばる荷物もすっきり収まります。
たった数センチの差ですが、収納量には大きな差が生まれるようです。タブレット端末や教科書、水筒など、荷物が多い今どきの小学生にとって、心強い選択肢ですね。
大容量ランドセルが人気の理由
近年、大容量ランドセルが選ばれる理由には、荷物の増加と通学環境の変化にあります。
- 教科書やノートのページ数が増加
- タブレット端末などのデジタル教材が導入
- 習字セットや絵の具など、かさばる学用品の持ち帰りも増加
これらの荷物をひとつにまとめて収納できる安心感が、保護者にも子どもにも高く支持されています。サブバッグいらずで、両手が空く=安全な通学にもつながる点も人気のポイントです!
最新の教科書サイズに対応

小学校で使用される教科書の表紙サイズ(B5判)は変わっていませんが、そのページ数はこの15年で大幅に増加しています。2005年度には全学年・全教科で合計4,857ページだったのが、2020年度には8,520ページに。およそ1.75倍(75.4%増)に増加*しています。
※出典: 一般社団法人 教科書協会「教科書発行の現状と課題」
これは、英語や道徳の正式教科化、アクティブラーニング重視の指導要領、デジタル対応ページの追加などが主な要因です。こうした背景から、教科書1冊あたりの厚みや重量が増加。そのため、A4フラットファイル対応サイズに加え、マチ幅に余裕のある大容量設計が、現代の学習スタイルに合ったランドセル選びの基準となっています。
学習用品をまとめて収納

今の小学生が持ち歩く学用品は、学年・季節・習い事によって実にさまざまです。
たとえば、
- 教科書、ノート、連絡帳、筆箱
- 給食袋、体操服、水筒
- タブレット端末、ノートパソコン
- 折りたたみ傘、タオル
- 習字セット、図工道具
- そろばん、スイミングセット
これらをランドセル1つにまとめて収納できる設計なら、サブバッグいらずで通学もスムーズに。荷物をひとまとめに管理しやすい設計は、忘れ物や置き忘れ防止にも繋がり、お子さまの「自分で整理整頓する力」を育てるきっかけとなります。
小学生の持ち物リスト
毎日の通学では、学年や季節によって想像以上にさまざまな荷物を持ち運びます。基本の教科書・ノートに加え、筆箱・水筒・給食袋・体操服・ハンカチ・ティッシュ・マスクの替えなど、日常的に必要なアイテムは意外と多め。
さらに、近年はタブレット端末やノートパソコンといったデジタル学習機器を使用する学校も増えており、収納にゆとりがあるランドセルが求められます。
季節によっては防寒具や夏の汗拭きタオル、レインコートや折りたたみ傘など、一時的な持ち物の増加も想定されます。
こうした日常+αの荷物をまとめて収納できるランドセルなら、毎日の通学がもっと快適に。
実際にどの程度の容量があると安心なのか、学年や習い事別にご紹介します。
学年別の必要な持ち物一覧
小学生の持ち物は、学年が上がるごとに増えていきます。目安となる学年別の荷物は以下のとおり。
- 1〜2年生
- 連絡帳、教科書、ノート、筆箱、水筒、給食袋、ハンカチ、上履き袋、お道具箱、鍵盤ハーモニカなど、かさばる教材が多め。
- 3〜4年生
- 理科・社会の教材が増え、リコーダーや習字セット、絵の具セットなどの大型アイテムも登場。A4フラットファイルが入るだけでなく、
- 5〜6年生
- 教科書やノートが一気に増え、家庭科・理科実習道具、タブレット端末、辞書など重量もアップ。
成長に応じて変化する荷物に対応するには、容量と構造の両立が大切です。12〜13cmのマチ幅に加え、仕分け収納のしやすさが6年間の通学のカギとなりそうです。
習い事の道具も考慮した収納術
放課後には塾・英語・そろばん・スイミング・ピアノ・習字など、複数の習い事をこなす子も多く、持ち物も多様化しています。毎回サブバッグを持つと手がふさがりがちで、忘れ物や動きにくさの原因にもなります。
そんなとき、大容量ランドセルなら「ランドセルの中に一部の習い事用品を入れておく」工夫が可能。たとえば、小マチにそろばんやスイミングキャップ、前ポケットにICカードや鍵を整理して収納できます。
習い事のスタイルに合わせて、「どこに何を入れるか」を考えやすい設計なら、学校から習い事までの移動もスムーズ。日常使いにも配慮した収納力が、子どもと家族の心強い味方になります。
大容量ランドセルの特徴と選び方
大容量ランドセルは、たくさんの荷物をすっきりと収納できる設計が特徴です。一般的な製品よりもマチ幅(奥行き)が広く、教科書やノートに加え、水筒や体操服袋などもひとつにまとめやすくなっています。最近では、A4フラットファイル対応サイズが主流となり、収納力のあるモデルが求められる傾向にあります。
選び方のポイントは主に3つ。まず、12cm以上の広めのマチ幅があるかどうか。次に、背負いやすさを左右する背カンの可動性や身体へのフィット感。そして、仕分けに便利な収納ポケットの使いやすさです。容量だけでなく、使い勝手にも注目して選ぶことで、毎日の通学がもっと快適になります。
広々マチ幅の選び方
大容量ランドセルを選ぶ上で、まず注目したいのが「マチ幅(奥行き)」です。マチ幅とは、ランドセルのメイン収納部(大マチ)の厚みのこと。この奥行きが広いほど、多くの荷物を収納することができます。11cm程度の一般的なマチ幅に比べ、大容量モデルでは12〜13.5cmの設計が主流です。この1〜2cmの違いで、タブレットや水筒、折りたたみ傘を収納してもランドセルがパンパンにならず、サブバッグいらずで通学できることも。
また、「マチ幅の数値」だけでなく、内寸やポケットの容量など、実際に収納できるスペース感を確認することが大切です。特に学年が上がるにつれて荷物は増える傾向にあるため、多少ゆとりのあるサイズのほうが安心です。
ランドセル選びでは、マチ幅12cm以上が安心・主流の基準といえるでしょう。
快適な背カンの見分け方
背カンは、ランドセルの肩ベルトと本体とを繋ぐ重要なパーツ。毎日使うものだからこそ、背負いやすさを左右する構造に注目してみましょう。お子さまの快適さを重視する方は、以下のポイントをチェックしてみてくださいね。
- 立ち上がり式背カン
- ランドセルの重心が高い位置に安定するため、体感重量が軽くなります。姿勢が安定しやすく、小柄なお子さまや、活発なお子さまにもおすすめです。
- 左右が独立して動くか
- 肩の動きに合わせてベルトが広がり、ランドセルが身体にフィットしやすくなります。厚着や成長期でも窮屈にならない柔軟性もポイントです。
- 背カンの厚み
- 厚すぎると、「背中に当たって痛い」と感じてしまうことも。フィット感を損なわない、薄さとクッション性がポイントです。実際に背負ってみて、あたりのやわらかさや違和感の有無を確認するのがおすすめです。
使いやすい収納ポケットの特徴
ランドセルの収納ポケットは、見落とされがちですが実はとても重要なポイント。鍵や緊急連絡先のメモなど、外から簡単に取り出せない場所にしまっておきたいものを安全に保管することができる収納場所です。 また、濡れたランドセルカバーや折りたたみのレインコートなど、かさばるものをしまう機会も多く、容量もしっかりあると便利です。

ただし、使い勝手の良くないポケットは子どもが使わなくなってしまい、かえってデッドスペースになることも。そのため、開け閉めのしやすさや大きさはとても重要です。 鞄工房山本のランドセルでは、L字型に大きく開くファスナーポケットを採用。開け口が広いため出し入れしやすく、中が見渡しやすいのが特長です。小さなお子さまでも毎日使いやすい設計です。
大容量ランドセルのメリット・デメリット
大容量ランドセルには、荷物をひとまとめにできる収納力の高さという大きなメリットがありますが、その分サイズや重量面で気をつけたい点も。以下のリストを参考に、使う場面をイメージしながら選ぶのがおすすめです。
メリット
- 教科書や水筒、体操服袋もまとめて収納できる
- 両手が空いてサブバッグいらず。安全に通学しやすい
- 荷物を整理しやすく、忘れ物防止にもつながる
デメリット
- サイズが大きく、ロッカーに入らないことがある
- 詰めすぎると重くなりやすい
- 小柄な子にはフィット感の確認が必要
見た目の容量だけでなく、重さの感じ方や使い勝手も含めたバランスの良さを重視しましょう。
荷物をスッキリまとめられる
大容量ランドセルの一番の魅力は、必要な荷物をランドセルひとつにまとめられること。教科書やノートに加えて、水筒、折りたたみ傘、ランドセルカバー、時には習い事の道具までも収納できるモデルもあります。荷物をひとまとめにすることで、サブバッグの使用を減らせるだけでなく、忘れ物や荷物の置き忘れ防止にもつながります。また、両手が空くことで、通学時の安全性もアップ。整理整頓の習慣も自然と身につきやすくなるのは、大容量モデルならではの利点ですね。
重さ対策のコツと工夫

大容量ランドセルは収納力が高い反面、「重くなるのでは?」という不安のお声もあります。ですが、最近は素材や設計の工夫により、見た目以上に軽く感じられるモデルが増えています。
「軽く感じられる」ために、たくさんの工夫が詰まっています。たとえば、鞄工房山本のユニモデルは、キューブ型と呼ばれる製法。横幅はしっかりと確保しつつ、必要な要素だけを追究した設計です。8.9リットルと見た目以上の大容量を備えながら、軽量化も実現しています。立ち上がり背カンにより重心を高い位置で安定させ、肩ベルトのカーブ形状により重さを分散させます。お子さまの体格にフィットする構造が、体感荷重の軽減に繋がるのです。
▶鞄工房山本の背負いやすさについて、くわしく知りたい方はこちら
また、荷物を軽く感じるためには、収納のバランスや詰め方も大切。重いものは背中側に、かさばるものは小マチに、という工夫だけでも負担を軽くすることができます。単に軽い数字を求めるだけでなく、「軽く感じられる設計」を選ぶことがコツといえるでしょう。
想定される課題と解決策
大容量ランドセルには多くのメリットがありますが、選び方や使い方によっては課題が生じてしまうことも。よくあるお悩みとして、「ランドセルが大きすぎてロッカーに入らない」「見た目がごつく感じる」「たくさん入ることで逆に重くなってしまう」などが挙げられます。こういった困りごとを解決するためのアイデアをご紹介します。
- ロッカー問題
- ロッカーに入るサイズを事前に学校へ確認し、高さや奥行きが収まるかどうかをチェック。
- 見た目のごつさ
- 丸みのあるデザインやカラーで柔らかさを演出。背中側面にヘリのない、キューブ型モデルもオススメです。
- 重さへの不安
- 「軽量素材+立ち上がり背カン+フィット感のある肩ベルト」の組み合わせを選ぶことで、体感重量を大きく軽減できます。
実際にご来店されたお客さまからは、「牛革ってこんなに軽いの?」「これなら子どもも使いやすそう」など、試してみてこそわかる使いやすさの声を多くいただいています。
失敗しない大容量ランドセルの選び方

ランドセルを選ぶ際は、サイズだけでなく背負いやすさや使い勝手にも注目しましょう。以下のチェックポイントを参考にしてみてくださいね。
- A4フラットファイルがすっぽり入る内寸
- マチ幅は12cm以上
- 背カンが可動式で、フィット感があるかどうか
- ポケットの使いやすさ
- 子どもが自分で出し入れしやすい設計
試着の際には、肩ベルトの動きや背筋の真っ直ぐさ、お子さま自身の重さの感じ方を一緒に確認しておくと安心です。
サイズ選びの重要ポイント
ランドセルのサイズ選びは、見た目の大きさだけで判断しないことが大切です。収納力があっても、お子さまの体型に合っていなければ負担になってしまいます。フィッティングするときには、次のポイントをチェックしてみてください。
- 肩ベルトが根本から自然に肩に沿っているか
- 背中に浮きがなく、正しい姿勢で背負えているか
- 歩いたときに揺れすぎないか
- 背負ってみて「痛い」「重い」と感じていないか
厚着をする冬場も想定して、肩周りの可動域に余裕があるかどうかも確認すると良いでしょう。さらに、「どんな体型の子でも背負いやすい設計か」は忘れがちだけど大事な視点。保護者さまが背負ってみたり、販売スタッフに相談したり。先輩ママ・パパたちのレビューを見るのもおすすめです。実際の声をもとに、身体にフィットするランドセルかどうかをしっかり見極めましょう。
一生もののランドセルなら鞄工房山本

大切な6年間をともに歩むランドセルは、「はじめての一生もの」です。鞄工房山本では、素材選びから仕立てまで一貫して自社工房で行い、職人の手仕事にこだわっています。丁寧に縫い上げたランドセルは、毎日背負っても型くずれしにくく、美しさを長く保つことができます。大容量のキューブ型モデルも、職人の技術があるからこそ形となりました。デザイン性と機能性を両立しながら、お子さまひとりひとりの成長に寄り添える。小学校生活の6年間、そしてその先も、思い出として残る特別なランドセルをお届けします。
大容量ランドセルについてのまとめ
教材や持ち物が増え続ける今の小学生にとって、大容量ランドセルは頼れる存在です。A4フラットファイルがすっぽり入る広さや、12cm以上のマチ幅があると、毎日の通学がぐんと快適になりそうです。サブバッグに頼らず荷物をひとまとめにできるから、整理整頓の習慣も自然と身につくはず。6年間を快適に過ごすために、ランドセル選びの際には収納力と使いやすさのバランスを重視してみてくださいね。