
小学校の6年間を共に過ごしたランドセル。役目を終えたあと、そのまま保管されているご家庭も多いのではないでしょうか。実は今、使い終えたランドセルを寄付することで、国内外の子どもたちの学びを支援できる取り組みが広がっています。本記事では、ランドセルの寄付がどのように役立つのか、実際の活用事例を交えてご紹介。あわせて、寄付の方法やおすすめの時期、注意点、信頼できる団体の選び方まで、初めての方でも分かりやすく丁寧に解説します。お子様の思い出が詰まったランドセルが、次の誰かの「はじめての一歩」を応援する、大切な贈り物になるかもしれません。
ランドセルって寄付できるの?

あまり知られていないかもしれませんが、国内外たくさんの団体で、使い終わったランドセルの寄付を受け付けています。ランドセルは、教材が不足している地域の子どもたちに届けられ、教科書などを運ぶ重要なツールになることで、世界中の子どもたちの学校生活を支えています。ランドセルの寄付をご家庭で考えることで、困っている子どもたちを助けられることができるだけでなく、お子様の国際的な視点を養うこともできるのではないでしょうか?
寄付したランドセルの行き先と活用方法
寄付されたランドセルは、アフガニスタンやカンボジア、フィリピン、ベトナム、タイなど、教育環境の整っていない国や地域で活用されています。たとえば、アフガニスタンでは女の子の就学率向上に貢献し、「ランドセルをもらって学校に通えるようになった」「将来は人を助ける仕事がしたい」といった声が届いています。また、フィリピン・セブ島のゴミ山近くの学校では、ランドセルが“高級で丈夫なバッグ”として喜ばれ、子どもたちは「好きな色を選べたのがうれしかった」と笑顔を見せてくれました。国内でも、児童養護施設や母子家庭への支援に活用されており、卒業の思い出が新たな学びの一歩として引き継がれています。ランドセルは単なる通学用品ではなく、世界の子どもたちの夢を背負う大切な贈り物として活躍しているのです。

海外の子どもたちの教育支援に活用される事例
使われなくなったランドセルが、遠く離れた国の子どもたちの未来を支える力になっていることをご存じでしょうか?寄付されたランドセルが、教育機会の少ない地域で大切に使われている実例を3つご紹介します。
まずご紹介するのは、国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)が2004年から実施している「思い出のランドセルギフト」です。これまでにアフガニスタンへ約27万個のランドセルが届けられ、特に女の子の就学支援に大きく貢献しています。ランドセルを受け取った子どもからは、「ランドセルをもらって幸せだった」「私もいつか貧しい人を助けたい」といったメッセージも寄せられています。この支援は、教育の機会が限られる地域において、希望の象徴となっています。
出典:思い出のランドセルギフト(JOICFP)/20周年インタビュー記事

続いては、NPO法人JIYUの取り組みです。フィリピン、ベトナム、カンボジア、タイなどの東南アジアを中心に、寄付されたランドセルをすべて現地で直接手渡ししています。特にフィリピン・セブ島のラプラプ地区にあるゴミ山近くの学校では、多くの子どもたちが適切な学用品を持てずに通学していました。支援に携わったイノウエ・ダイスケさんは、「カラフルなランドセルから好きな色を選ぶ瞬間の子どもたちの目の輝きは本当に特別だった」と語っています。ランドセルは現地では「高級で丈夫なバッグ」として認識されており、手に入れることが難しい貴重な存在です。
出典:NPO法人JIYU 活動報告・体験談

最後に、一般社団法人リボーンプロジェクト(旧:リボーンプロジェクト)の活動も紹介します。日本で使われなくなったランドセルを、カンボジアの農村部にある小学校へ届ける取り組みを継続的に実施しています。プノンペン郊外の小学校では、寄付されたランドセルによって、子どもたちの学習環境が大きく改善されました。「以前は教科書を紐で縛ったり、ビニール袋に入れて持ち運んでいたが、ランドセルのおかげで雨や汚れから守られるようになった」と、現地の先生も喜びの声を寄せています。
出典:リボーンプロジェクト ランドセル寄付報告

国内の支援が必要な子どもたちへの活用方法
ランドセルの寄付は、日本国内でも子どもたちの支援に役立てられています。全国約600の児童養護施設では、団体「もったいないジャパン」が企業から寄贈された新品ランドセルを届けています。また「セカンドライフ」では、まだ使えるランドセルを全国から集め、母子家庭や施設の子どもたちに再活用。「エコトレーディング」は、寄付品のリユース販売収益を福祉や被災地支援に充てています。
さらに、タイガーマスク運動の影響もあり、個人からの寄贈が広がりました。
出典:もったいないジャパン、セカンドライフ、エコトレーディング
ランドセル寄付での注意点
ランドセルを寄付する際には、いくつかの注意点があります。
①破損が少なく、まだ使える状態であること
使用に問題があるほどの破損や、寄せ書きなどがある場合などは寄付を受け付けてもらえなかったり、せっかく寄付をしても子どもたちに贈られない場合もあるので注意が必要です。
②寄付を受け付けている団体やプロジェクトの条件を確認し、適切な手続きを踏むこと
上記のようなランドセルの状態に関する注意事項や、団体へ送る際の手順など、団体によって異なる場合があります。大切に使ってきたランドセルがきちんと寄付先の子どもたちの手元に届くように、情報をきちんと確認して寄付をするようにしましょう。
③寄付金と送料
寄付先の団体によって、寄付金や送料が必要な場合があります。事前に確認し、いざ寄付しよう!と思ったときに慌てないようにしましょう。
また、団体によっては、近隣のショッピングモールなどに持ち込んで、寄付することが可能な場合もありますので、合わせて確認してみてくださいね。

寄付後の活動報告はどうやって確認できる?
寄付したランドセルがどのように活用されたかを知ることは、支援の透明性や継続的な関心を保つうえで大切です。多くの団体は公式サイトに活動報告を掲載しているほか、SNSで日々の様子を写真や動画付きで発信しています。また、メールマガジンやニュースレターで寄付者に向けた情報配信を行う団体も。さらに、年次報告書では1年間の活動成果や財務情報がまとめられ、信頼性の判断にも役立ちます。
信頼できる団体の探し方
ランドセルを寄付する際は、信頼できる団体を選ぶことが大切です。まずは公式サイトで団体のミッションや活動実績、寄付の流れが丁寧に説明されているかを確認しましょう。過去の支援実績や現地からの声が紹介されていると、活動の具体性と継続性が見えます。さらに、認定NPO法人など公的な認証の有無、外部監査の実施、年次報告書の公開など、情報の透明性も大きな判断材料に。加えて、現地での配布方法や持続可能な支援の仕組みがあるか、寄付後のフィードバックが届くかどうかもチェックポイントです。口コミやメディアでの紹介実績も参考になります。
ランドセルを寄付する方法

ジョイセフに寄付をする
- ランドセルの確認・準備をする
ジョイセフのランドセル寄付受付条件をよく読み、ご自身のランドセルの状態をチェックしましょう。 - 海外輸送経費を振り込む
ジョイセフでは、海外輸送経費として寄付金が必要となります。クレジットカードでの寄付以外に、銀行振込や書き損じハガキでも寄付金の送付ができます。なお、ランドセルの状態が条件を満たさない場合でも、1度入金した寄付金は返金はされませんので、ご注意ください。 - ランドセルを指定倉庫に送付
1,2が完了したら、元払いでジョイセフ指定倉庫に送りましょう!
以下のURLより詳細が確認できますので、寄付前に必ず詳細をチェックしてくださいね!
【ジョイセフ公式サイト】https://www.joicfp.or.jp/jpn/donate/support/omoide_ransel/donation/
ワールドギフトに寄付をする
- ランドセルの準備
ワールドギフトでは、再利用できないものの集荷はできないとしています。ランドセルの状態がよくなく、寄付可能か疑問なときはお問い合わせをしてみてくださいね。 - ランドセルの梱包
発送前に、3. 寄付申込みが必要になるので、梱包を終えてもまだ発送はしないでくださいね! - 物品寄付申し込み
荷物の準備ができたら、物品の寄付フォームから必要事項を送りましょう。フォーム申込み後、依頼確定メールが届くので、内容に間違いがないか、また注意事項など確認しましょう。 - 寄付金の振込
寄付金のご入金方法は銀行振込のみになります。ご自身での発送の場合は発送日までに、集荷でのご発送の場合は集荷日当日までに着金するよう手配しましょう。 - 発送
4まで完了したら、元払いで発送しましょう!
以下のURLより詳細が確認できますので、寄付前に必ず詳細をチェックしてくださいね!
【ワールドギフト 公式サイト】https://world–gift.com/buppin.html
リボーンプロジェクトに寄付をする
- 梱包資材を用意する
梱包資材がある場合は、ご自身の梱包資材にランドセルを入れます。もし、梱包資材がない場合は専用キットを購入することもできます。リボーンプロジェクトでは、ランドセルを寄付したり、お手紙を同梱することで、一緒にワクチンも寄付することができます。 - 梱包する
ランドセルの他にもお家で使わないものがあったら同梱することができます。寄付できる物品はこちらからご確認ください。また、寄付ができないものもあるので、事前によく確認をしましょう。
https://www.kataduke-kaitori.com/reborn/#givePresent-section - 発送
自前の梱包資材の場合は元払いで、専用キットを使う場合は送料は不要となります。
以下のURLより詳細が確認できますので、寄付前に必ず詳細をチェックしてくださいね!
【リボーンプロジェクト公式サイト】https://www.kataduke-kaitori.com/reborn/
JIYUに寄付をする
- ランドセルの準備
ランドセルの他にも、リサイクル品や文房具も一緒に寄付できるそうです。 - 寄付金を入金する
一定額以上を寄付した場合は感謝状をもらえるそうです! - 寄付申込フォームボタンから申込みをして、ランドセルを発送
詳しい住所は、フォームから申し込みしたあとに表示されますので、そちらの住所にお送りください。
JIYUの特徴は、「想い」を届けるため、手渡しで寄付品を渡しに行くこと。POSTMANと呼ばれる手渡しボランティアの手によって届けてもらうことで、「想い」を届けてもらえるとともに、輸送費の大幅カットもしています。
以下のURLより詳細が確認できますので、寄付前に必ず詳細をチェックしてくださいね!
【JIYU公式サイト】https://www.jiyu-jin.org/stationery
エコトレーディングに寄付をする
- 段ボールや袋などに梱包する
ランドセル以外にも受け付けてくれるものがあるので、他にも寄付できるものがある場合には、取扱品目を確認してくださいね。また、寄付ができないものもあるので、事前によく確認をしましょう。 - 送り状を用意する
- 発送
寄付品を送るときには、事前連絡は不要なので、そのまま送ってOK!送料は元払いですので、間違いないように注意してくださいね。
以下のURLより詳細が確認できますので、寄付前に必ず詳細をチェックしてくださいね!
【エコトレーディング公式サイト】https://eco-friendly.site/
国際子供友好協会に寄付をする
- ランドセルを梱包する
ランドセル以外にも寄付をうけつけてくれますので、他にも寄付できそうなものがあればぜひ一緒に送ってみてください。寄付を受け付けてもらえないものもありますので、事前にきちんと確認しましょう。 - 発送
梱包資材は段ボール・袋どちらでも可能です。発送は元払いになりますので、間違いないように注意しましょう。
以下のURLより詳細が確認できますので、寄付前に必ず詳細をチェックしてくださいね!
【国際子供友好協会】http://npo-icfa.org/profile.html
セカンドライフに寄付をする
- 申込み
セカンドライフに申込みをし、申込料金を支払います。サイズによって申し込み料が代わりますので、WEBサイトで確認し、振込の期日を過ぎないように入金してください。 - 梱包・発送
段ボールなどに梱包をしたあと、申込後送られてきた伝票を貼り付けます。送料は申し込み料に含まれていますので、追加の費用は必要ありません。 - 到着報告メールを受け取る
ランドセルがセカンドライフに到着した後、1週間前後で、到着報告メールが届きます。無事にランドセルが届いたら、寄付は完了です。
セカンドライフでは、寄付1箱につき、ワクチンを寄付する活動も行っているそうです。
以下のURLより詳細が確認できますので、寄付前に必ず詳細をチェックしてくださいね!
【セカンドライフ公式サイト】https://www.ehaiki.jp/second/

よくある質問
寄付したランドセルは税金控除の対象になりますか?
ランドセルそのものを寄付した場合は、原則として税控除の対象外です。ただし、送料や金銭の寄付を伴う場合には、条件を満たせば控除の対象になることがあります。控除を受けるには、「認定NPO法人」など特定寄附金の対象団体であることが必要で、領収書や寄付金受領証明書の提出が求められます。確定申告時には寄付金控除欄への記入と、必要書類の添付が必要です。
ランドセルの寄付におすすめの時期は?
ランドセルの寄付は「卒業後すぐ(3~4月)」や「夏休み前(6~7月)」が特におすすめです。卒業直後なら状態が良いまま次の利用者に届けやすく、夏前は海外輸送や国内配布の準備が進めやすい時期。多くの団体は通年受付を行っていますが、キャンペーン期間などは異なるため、公式サイトやSNSで最新の募集状況を確認すると安心です。事前に寄付条件や送料負担の有無もチェックしましょう。
ランドセルの寄付についてまとめ

6年間大切に使ってきたランドセルを寄付することで、日本から海を渡り海外に住む子どもたちを支援できます。ランドセルも新たな場所で活躍できることはとても素敵ですよね。鞄工房山本のランドセルは、6年間使える丈夫なつくりになるよう魂を込めてつくっています。寄付先でも活躍して、喜ばれていると嬉しいです。
「思い入れがあってどうしても手放せない…」という方には、鞄工房山本では、コードバン・牛革のランドセルのリメイクも行っていますので、併せて検討してみてくださいね。
