決して奇抜ではなく、おしゃれなランドセル。
それが鞄工房山本のランドセルが持つ特徴だろう。
これを実現するためには、様々な方向から吹いてくる新しい風をこれまで積み上げた歴史と伝統と融合させ、新たなデザインを生み出す事が必要なのだ。
新しい鞄工房山本の風を感じさせる、美しいステッチ
奇抜ではない、しかし、存在感があり、気品のあるデザイン。それも鞄工房山本のランドセルの特徴であろう。2016年に向けて開発中のランドセルにも、その特徴は脈々と受け継がれている。
以前は、新しいデザインのランドセルをつくる時は、工房主と常務を中心にデザインをしていた。コンクール等に出品する時は工房主がよりイニシアチブを持って進めていく。同様に、自身の子どもたちのためにつくった「世界にたったひとつだけのランドセル」も工房主がメインで作り上げた。
そんな鞄工房山本に新たな風が吹いている。
イタリアでデザインを学んだ新進気鋭のスタッフ。路上絵を描いていたともいう。そしてジュエリーデザインもしていたというから頼もしい。
ジュエリーといえば、優雅な台座を中心とした曲線美。そしてその上にある宝石。女の子もおもちゃの宝石を喜んでつけていたように、大人でも子どもでも、女性というのはジュエリーの持つ全体美には「やられる。」
ジュエリーの立体的な造形、路上絵の二次元でありながらも立体的に見せる技。
そんな技を持ったデザイナーが取り組んだのがポケットのステッチ。
新たなランドセルにはハートがテーマとしてデザインがなされている。ポケットの窓とそのふちはハート。その周りをどうステッチで彩るのかが課せられた課題。気品あるデザインを保つためにも、違う色の糸は使わない、シンメトリー(左右対称)かアシンメトリー(左右非対称)かなど、様々なこだわりと制約の中でデザインが進められている。
いくつものサンプルがつくられた。
まだ完成はしていないが、少しずつデザインは固まってきたようだ。
ハートのデザインをステッチにどう生かすのか。どんな新しい風が吹くのか。
鞄工房山本らしさを保ちつつ、全く想像もつかない所から吹く新しい風。未来の製品がより楽しくなってきた。