※こちらのプロジェクトは、2025年に実施しています。
「ともにつくるランドセル」プロジェクトの物語は、2025年春に始まりました。
3組のご家族とともに、世界にひとつのランドセルをつくっています。
今回は、Y様ご家族とのランドセル作りのお話です。
試作品づくり、はじまりました

お打ち合わせを終え、いよいよランドセルづくりがスタートしました。ご家族の願いを、ひとつずつ丁寧にかたちにする作業がはじまります。
テーマは「獅子神楽」。鞄工房山本としても、これまでにない初めての挑戦です。

なかでも職人が悩み、考え続けたのが、かぶせにあしらう「たてがみ」の表現。ひひらひらとした柔らかな表現を、丈夫な革でどう再現するか——。試行錯誤を重ね、職人は知恵と技を尽くしました。


できあがった試作品のパーツはご家族にお送りして、ご家族のイメージと相違の無いように進めていきました。

仕様が決まり、ここから本格的に完成に向けて作業を進めていきます。
「Mさん、ご家族に気に入っていただけるだろうか」——そんな期待と少しの不安を胸に、職人たちは制作に励みました。



秋、奈良本店で再びお会いしました
2025年秋、Yさまご家族が奈良本店にお越しくださいました。この日は、お母さま・おばあさま・そしてMさんの3名でのご来店です。
ご覧いただいたのは、仕上がりに近づいたランドセルの主要パーツたち。
スタッフも「どう感じてくれるかな」と少し緊張していましたが、Mさんは少し照れながらも、目を輝かせながらランドセルを見つめてくださり、スタッフたちも思わず安堵の笑みを浮かべました。

ご応募のきっかけは、工房見学
前回の記事でも触れたように、当プロジェクトへご応募くださる以前、Yさまご家族はすでに奈良本店にお越しくださっていました。
そのときに選ばれたのが、香久山 スモーキーラベンダーのランドセル。工房見学を通じて職人の手仕事やものづくりへの真摯な姿勢をご覧になり、「この場所なら私たちの想いをかたちにできるかもしれない」と感じていただけたことが、応募の後押しとなったそうです。
3世代でランドセル作りの様子をじっくりご覧いただき、楽しい時間を過ごせたと当時を思い返してお話しくださいました。
ランドセルが完成したら、行きたい場所

「このランドセルを背負って、お獅子さんを見に行こうね」
ご家族にとって、お獅子さん(神楽)は各地を旅するお父様のご職業であり、暮らしの一部。その中に自然と溶け込むようなランドセルになるように。職人たちは、ご家族の表情や言葉を思い返しながら、いま、最後の仕上げに向けて、心を込めて制作を続けています。
このランドセルが、Mさんにとっての”お守り”のような存在になりますように。
いよいよ、完成に向けて
「ともにつくるランドセル」プロジェクトは、3組のご家族とともに進んでいます。
これからの更新も、どうぞ楽しみにお待ちください。






