ランリュックとランドセルどちらが良い?それぞれのメリットや選び方を解説

ランリュックとランドセル
左:ランリュックのイメージ、右:ランドセル「オックスフォード

小学生の通学カバンにランドセルとランリュックはどちらを選ぶべき?
今、通学カバン選びの「正解」はひとつではなくなっています。耐久性や見た目、子どもの体格、そして学校の方針など、検討すべきポイントは意外とたくさん。
本記事では、ランドセルとランリュックの違いを機能・価格・文化的背景から比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理。近年注目が高まっているランリュックについても詳しく解説しています。

さらに、通学カバンを選ぶ際の判断軸や家族で話し合うべき視点もご紹介。ランドセルメーカーとしての視点を交えながら、後悔しないカバン選びをサポートします。

ランドセルとリュックとランリュック、いまどきはどれを選ぶ?

外 子ども

ランドセルといえば、かつては小学生の通学鞄として“当たり前”の存在でした。しかし最近では、ランドセルに代わってリュックを選ぶ家庭も少しずつ増えています。ランドセルのようにきっちりとした形ではなく、より軽くて柔らかい素材でできた「ランリュック」や、一般的な登山用リュックに近い形のものまで、選択肢が広がっているのです。

こうした背景には、家庭の価値観の多様化、子どもの体への負担への配慮、学校の方針の変化など、さまざまな要因があります。「本当にランドセルでなければいけないのか?」という問いに、自分たちなりの“正解”を探すご家庭も増えてきました。

どちらを選ぶかは「正解がひとつではない時代」。ランドセルでも、リュックでも、“わが子にとってのベスト”を見つけることが何より大切です。

赤 ランドセル 男の子

ランドセル以外の選択肢

ここ数年、リュック通学を認める小学校が少しずつ増えています。背景には、子ども一人ひとりの身体への負担を軽減したいという配慮や、通学スタイルの多様化があります。特に都市部では、電車通学や長距離通学のケースも増えており、軽くて柔軟性のあるナイロンなどの布製リュックやランリュックの方が使いやすいと感じるご家庭もあるようです。

また、地域によっては入学時にランリュックを配布している自治体もあります。こうした制度も、ランドセル以外の選択肢が一般化しつつある背景の一つです。

ランリュック(ランドセルリュック)

「ランリュック」は、「ランドセルリュック」や「ランリック」とも呼ばれる、小学生の通学向けに使われるリュック型の通学鞄です。
ランドセルの機能性と、リュックサックの柔軟さを組み合わせたデザインが特徴で、ランドセルの代わりとして選ばれるケースも増えてきたため、ここ近年、ランリュックの中での選択肢も広がってきました。

ナイロン製などの軽量素材を使ったものが多く、体の小さなお子さまでも背負いやすい設計です。価格も比較的手頃で、家計への負担が抑えられる点も人気の理由のひとつです。

また、A4サイズの教材やファイルがしっかり収まる容量を持ちつつ、ポケットが多く整頓しやすいのも嬉しいポイント。素材はランドセルほどの堅牢性はないものの、丈夫な布が使われており、通学用としての実用性は備えています。

まだまだランリュックを展開しているブランドは少ないですが、近年は注目が高まっており、少しずつランリュックの販売を開始するブランドも増えてきました。

学校によって違う?地域差・校則・ランドセルの慣習

実は、「ランドセルが当たり前」という感覚にも地域差があります。多くの公立小学校では通学鞄の指定がなく、リュックなどを選ぶことも制度上は可能です。ただし地域によっては、実質的にランドセルが一般的という空気があり、リュックだと目立ってしまうことを気にされる保護者の方もいるようです。

また、私立や国立の小学校では校則でランドセルを指定しているところも少なくありません。こうした背景から、「通う学校の方針を確認する」ことは、ランドセルとリュックを選ぶうえで非常に重要なポイントになります。

「ランドセルじゃなくていいかも」と思われる理由とは

ランドセルを選ばないご家庭の理由として多く挙げられるのは、「子どもへの負担を減らしたい」という思いです。近年は教科書のボリュームが増え、荷物も重くなる傾向にあります。体の小さな1年生にとっては、丈夫でしっかりしたランドセルが重く感じられることもあるでしょう。

また、成長に合わせて買い替えることを前提に、価格を抑えたリュックを選ぶご家庭もあります。デザインやカラーバリエーションの豊富さも、子どもが「こっちがいい」と感じる要因のひとつです。

ランリュック(ランドセルリュック)とランドセルの違いを比較してみよう

ランリュックとランドセル
左:ランリュックのイメージ、右:ランドセル「オックスフォード

ランドセルとランリュック、それぞれに明確な特徴があります。選ぶうえでよく比較されるポイントをまとめると、以下のようになります。

【比較表:ランドセルとランリュックの違い】

比較項目ランドセルランリュック
耐久性6年間使えるよう設計。型崩れしにくく丈夫生地や構造による。使い方によっては消耗しやすい
重さ(2kgの教科書を入れた場合)重量はやや重めで、総重量は3.2~3.3kg前後軽量モデルが多く、総重量は3kg以下
価格帯平均4〜7万円。高品質なモデルは10万円以上も安価なものなら1万円台から選べる
フォーマル性伝統的で安心感があるカジュアル寄りで地域によっては浮くことも
機能性背負いやすさ・収納・防犯性など、通学特化の工夫が多いポケット数・容量・軽さ重視のモデルなど多様
雨や汚れへの強さ防水性・撥水性が高く、ランドセルカバーも豊富素材や形状によっては雨や型崩れに注意が必要。撥水素材で作られているものもある。
開け閉め金具の錠前式が主流ファスナー式やマグネット式が主流

ランドセル通学のメリット・デメリット

ランドセルの最大の魅力は、やはり「6年間を見据えて作られている」という点。耐久性に優れ、型崩れしにくく、重い教材や道具を日々運ぶ小学生の通学を長く支えてくれます。安全性への配慮も行き届いており、反射材や防犯ブザーの取り付け位置、重心設計など、日々の登下校に必要な工夫が詰まっています。

ランドセル 背負いやすさ 機能

もちろん、重さや価格がネックになるご家庭もあります。お子さまの体格や体力に対して、重すぎるランドセルを背負っている場合、ランドセル症候群と呼ばれる症状が出ることも。ただし、いくら軽いランリュックを背負っている場合も、重すぎる荷物を運んでいる場合は同様のことが言えるでしょう。

最近ではランドセルでも軽量モデルも登場し、カラーやデザインの選択肢も豊富に。ランドセルは単なる「通学鞄」ではなく、「入学という節目に家族で選ぶ記念品」としての意味も大きいのです。

ランドセル 子ども

鞄工房山本では、ランドセルを”選ぶ時間そのもの”を大切にしています。そして、6年間使った後には「ランドセルリメイク」として、ペンケースや財布などへ形を変えて思い出を残すことも可能です。通学に寄り添い、卒業後も人生に寄り添える——そんな“はじめての一生もの”としての価値は、ランドセルならではの魅力といえるでしょう。

鞄工房山本のランドセルリメイク

リメイク品

ランリュック(ランドセルリュック)通学のメリット・デメリット

ランドセルとリュックの“いいとこ取り”として注目されているのがランリュック(ランドセルリュック)です。軽くて扱いやすいナイロン製が多く、体の小さな子どもでも背負いやすいのが大きなメリット。A4サイズの教材も入る収納力や、多ポケット設計による整理のしやすさなど、日々の使いやすさにも優れています。デザインも自由度が高く、価格も比較的手頃なことから、近年一部の自治体でも採用が進んでいます。

一方で、布製であることから耐久性はランドセルに劣り、6年間使い続けるには少し不安が残る面も。型崩れや摩耗が起きやすく、通学専用としての安全設計(反射材や防犯ブザー取り付け位置など)が十分でない製品もあるため、選ぶ際には注意が必要です。また、メーカーによっては修理対応や保証期間が限られている場合もあるので、事前に確認しておくことが大切です。

なお、軽さが魅力のランリュックですが、ランドセルとの重量の差は数百グラム程度。実際の教科書を入れる量によっては、ランリュックであっても重く感じてしまうでしょう。
また、立ち上がり式背カンなど、ランドセルならではの軽く感じる工夫も施されているため、実際の通学シーンの体感としては、ランドセルもランリュックもそれほど大きな違いはないものです。

通学鞄選びの3つのポイント

どれが正解というわけではなく、大切なのは「その子にとっての最適」を考えることです。ここでは、ランドセルやランリュックなどを選ぶときにチェックしておきたい3つのポイントをご紹介します。

色とりどりのランドセルの中から、お気に入りのランドセルを選ぶ子ども

子どもの体格・性格・通学スタイルを考える

体が小さい子や体力に自信のない子には軽量なリュック・ランリュックが適しているかもしれません。一方で、重い荷物でも背負える一般的な体格のお子さまならランドセルでも安心。性格的にも几帳面でモノを大切に扱える子には、長く使えるランドセルがぴったりです。

学校の方針や周囲のスタンダードを確認する

学校でランドセルが推奨されている、もしくはみんなが使っているという状況でリュック・ランリュックを選ぶと、目立ってしまうことも。事前に通う予定の学校や地域のスタイルをリサーチしておくと安心です。

家族で話し合って「納得して選ぶ」ことが大切

通学鞄は毎日使うもの。親の考えと子どもの気持ちが一致することが一番大切です。見た目や重さだけでなく、なぜこれを選ぶのか、どんなふうに使いたいのか、家族で話し合って納得して決めることが、後悔しない通学鞄選びの秘訣です。

【チェックリスト:通学鞄を選ぶときに考えたいこと】

  • 子どもの体格や成長段階に合っているか
  • 通学距離・通学方法に適しているか
  • 学校の方針や周囲のスタイルに合っているか
  • 家族で話し合って、子どもが納得しているか
  • 6年間使うことを想定して選べているか

また、鞄工房山本のように、購入前のレンタルサービスを実施しているブランドもあります。ランドセルは高価なものですので、事前にご自宅に取り寄せするのもおすすめです。

ご自宅に取り寄せて試せるレンタルランドセル

奈良本店のランドセル選び

ランドセルメーカーとして、私たちが大切にしていること

私たちはランドセルをつくるメーカーとして、「もの」としての性能だけでなく、「体験」や「思い出」としての価値も大切にしています。

工房見学

「6年間を見据えたものづくり」としての視点

入学から卒業まで、6年間の毎日を共にするランドセルだからこそ、丈夫であること、安心して使えること、そして子どもが誇りを持てることが何より大切です。だからこそ、私たちはランドセルの設計から素材選び、縫製に至るまで、すべてにこだわりを持ってものづくりを続けています。

「納得して選ぶ」ことの価値

「ランドセルが正解」「リュックはダメ」——そんな時代ではありません。私たちが大切にしたいのは、どちらを選ぶにしても「家族でたくさん話し合い、納得して選んだ」というプロセスそのものです。納得して選んだランドセルは、きっと6年間をより豊かにしてくれます。

ランドセルのショールーム(横浜店)

ランドセルを選ぶ人にも、選ばない人にも寄り添いたい

ランドセルを作っている私たちですが、リュックを選ぶご家庭にも心から寄り添いたいと思っています。それぞれのご家庭にとっての“正解”が違うことを理解し、どんな選択にもリスペクトを持って接すること。それが、ものづくりに携わる者としての誇りでもあります。

2人の職人がランドセルを覗き込んでいる

ランリュックに関するよくある質問

ランリュックとは何ですか?

「ランドセルリュック」や「ランリック」とも呼ばれる、小学生向けの通学鞄です。
ランドセルの機能性と、リュックサックの軽量性をかけ合わせた製品で、ランドセルの代わりとして選ばれるケースも増えてきました。

ランリュックの欠点は何ですか?

ランリュックは主に、ナイロンなどの合成素材で作られているため、ランドセルと比較すると耐久性が低く、6年間の修理保証がないものがほとんどです。
また、注目は高まりつつありますが、今も主流はランドセルのため地域や学校によっては目立つこともあり、また取扱店舗も少ないため、試着して選ぶという機会が限られてしまうでしょう。

ランリュックはなぜ生まれたのですか?

実は、ランリュックの歴史は意外にも深く、1960年代後半に誕生しました。
当時、ランドセルは重くて高価であり、家庭の経済状況による格差がいじめの原因となることがありました。また、重いランドセルは発育盛りの児童の健康に悪影響を与えると考えられていたようです。
こうした背景から、軽くて安価、交通安全にも配慮した通学カバンを求めて、京都府長岡町立第三小学校(現・長岡京市立長岡第三小学校)の校長が、学生用品販売会社マルヤスに開発を依頼。1968年に道路警戒標識をモチーフにした黄色いランリュックが誕生しました(引用:ランリック®の生い立ち)。

まとめ

オックスフォードの側面イメージ

ランドセル、リュック、ランリュック。どれを選ぶかに正解はありません。
大切なのは、お子さまの体格や通学環境、ご家庭の考え方に合った通学カバンを選ぶこと。
それぞれにメリットとデメリットがあるからこそ、比較しながら納得のいく形を見つけていきましょう。

鞄工房山本では、ランドセル選びを「はじめての一生もの」としてご家族でじっくり考える時間を大切にしています。ご不安な点があれば、スタッフにいつでもご相談ください。

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監修者情報

鞄工房山本 編集部
鞄工房山本 編集部

購入前に役立つ情報から、ご購入後にもきっと役立つような話題まで。ランドセルにまつわるあれこれを、心を込めてていねいにお届けしています。小さな情報の一つひとつが、ご家族の安心と笑顔につながりますように。

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